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院内救命士の教育について考える。

院内救命士の教育について考える。

今回は院内救命士として働き続け更なる発展を目指すためにとても重要な、この院内救命士の教育についての課題について考えたいと思います。

総務省の消防庁より、行政の救急救命士は「救急救命士は2年間で128時間以上の再教育を救急救命士生涯教育として位置づけており、病院実習とメディカルコントロールにおける日常的な教育(症例検討会など)を合わせて128時間以上とこなすことが義務付けられています。

しかし、これは行政所属(消防機関につとめている)の救急救命士にのみ義務付けられているもので、院内救命士にはこのような確立された教育システムが存在しません。なお、院内救命士は基本的にメディカルコントロール協議会に所属することが出来ません。そのため院内救命士の知識や技術の保持と向上は、勤務している病院に全て委ねられてしまっています。

近年、救急救命士を採用する病院が増加傾向にありますが、院内救命士の業務の法整備が整っていない状態で、院内救命士を試験的に採用している病院が多いです。
そのため、病院側が院内救命士の教育体制や向上していくための道筋を用意している事は非常にまれです。

院内救命士として採用され、いざ勤務についたとしても行き詰ってしまい「やっぱり公務員試験を受けて行政救命士を目指そう...。」と院内救命士を挫折してしまった救命士も多くいるのではないでしょうか?
また教育システムが確立していないため、院内救命士の質も病院によってバラバラであり問題を感じます。

院内救命士として病院で活躍し続けるには以下の3つの選択肢があります。

① 法律にふれる業務は行わない
② 病院が求める院内救命士像を十分に理解する
③ 院内救命士の教育システムを確立させる


1.法律にふれる業務は行わない

当たり前の事ですが、違法な業務を行わない事が院内救命士発展のための原則です。点滴の針を刺したい、病院にいるのだから外では出来ない事をしたい。そんな考えが出る事もありますが、違法な事をしている団体が発展する事は決してありません。発展していく段階で必ずメディアなど、所属病院以外の人の目に数多く触れる事になります。発展したいのであれば堂々とメディアにも出られる透明性のある業務を行いましょう。


2.病院が求める院内救命士像を十分に理解する

なぜ病院が院内業務の法整備が整っていない救急救命士をわざわざ採用したのか。病院側が求める院内救命士への期待を十分に理解しましょう。例えば、救急患者の受け入れを充実させたいか、救急外来の円滑な業務体制を望んでいるのか、ドクターカーなどの搬送業務を展開させたいのか。など、病院によって求めている事は様々です。自分のやりたい事を展開する事は大切ですが、まずは病院側の求める院内救命士像を理解しそれを軸にして業務の発展をしていきましょう。


3.院内救命士の教育システムを確立させる

①と②はどの院内救命士でも比較的出来ていると思いますが、この教育システムの確立が疎かになっているところが多いのではないでしょうか。この教育システムに力を入れている病院としていない病院では、院内救命士の質の差がはっきりと出てしまうでしょう。そして、質が保てないと院内救命士としての発展も出来なくなり、結果的に院内で救急救命士が活躍する場を作れずその道を自ら閉ざしてしまう事になってします。

前述した通り、院内救命士は教育のシステムが行政救命士と異なり確立されていません。そして採用された病院から与えられるものでもありません。全ては院内救命士が、その病院での業務に適した教育システムを確立しなくてはいけません。新人の育成プログラムや再教育の研修プログラムなど、すぐに確立出来る内容ではありませんが、一度構築できればその後の発展はとても円滑に行くでしょう。

まずは新人の教育システムを確立し、新人の育成を円滑に行える体制作りが重要です。この新人育成で行き詰ると、新人・指導者が共倒れになり発展どころではなくなってしまいます。

そして、行政救命士にはあり院内救命士にはない、再教育システムも確立させましょう。再教育の義務がない院内救命士はここに力を入れない事が多く、病院で勤務して症例を多くみている事で再教育出来ていると錯覚してしまいます。
教育は明確な目標と他者からの評価がないと意味がなく、これはただの経験であって教育ではありません。院内救命士が再教育に力を入れていかなければ、行政救命士との差が大きく開いて院内救命士の未来は暗くなってしまうでしょう。


しかし、院内救命士は環境にとても恵まれています。

所属の部署にもよりますが、院内救命士は行政救命士よりも症例数が多く、しかも行政救命士がなかなか見ることができない、搬送後の検査・結果・処置・その後の経緯を全てみる事が出来ます。毎日が症例検討会を開いているもので、この環境を存分に活用し自身で向上心を持って多くの勉強会やシナリオトレーニングコースに参加していければ院内救命士の未来は明るくなるでしょう。

院内救命士のニーズが高まってきた今こそ、5年後・10年後も視野にいれて教育システムを確立していく事が院内救命士発展の核になると思います。

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