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病院内で救命士として働いている人(病院救命士)は何をしているの??

病院内で救命士として働いている人(病院救命士)は何をしているの??

救急救命士と言えば、消防署に所属して行政の救急救命士として公務員として働くのが一般的でした。
しかし、ここ最近は公務員ではなく、民間の病院内で救急救命士が働くことが増加してきました。(病院で働く救急救命士を、このサイトでは病院救命士と呼びます。)
この、院内救命士が増加した背景には、需要(公務員救命士の採用)と供給(救急救命士養成)のバランスが崩れたことが根底にあり、それに加え救急救命を専門に学んだ医療従事者である「救急救命士」を社会に溢れさせておくには勿体ないため、活用する方向に医療現場が変化してきたことがあげられます。

超高齢化に突入した日本において、救急医療を必要とする患者数の増加は避けることは出来ません。救急医療を必要とする全ての患者に対応するには、「行政の救急救命士」のみの力だけでは無理であり、医療従事者が一丸になって超高齢化を乗り切る必要がある。そのため、病院内で働く救急救命士の数は増加すると考えています。

しかし、救急救命士の学校では病院救命士の実態を知る機会が少ないのが現状です。救命士を取り巻く、医療環境は大きく変化しているのにも関わらず、カリキュラムは「行政の救急救命士」一色単の学校が多いのは非常に残念です。

ここで、ダーウィンの有名の言葉をここで借りると

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である

救命士も社会環境に合わせて柔軟に変化することが出来ればもっと発展するのかぁ…と思います。

そんな訳で、今回のコラムでは病院救命士歴10年以上の経歴を持つ「蒲っちぁん」が「病院内で救急救命士としてどんな仕事をしているか?」を紹介いたします。

 

ホットライン(行政の救急救命士からの電話)の対応

受け入れ側の病院では、ホットライン段階で患者が重症だと疑われる場合、患者を受け入れるにあたり、病院側は様々な準備をする必要があります。
例えば…痙攣が発生している場合は、向精神薬を金庫から事前に取り出しておき、直ぐに使用出来るように準備しておきます。また、脳卒中が疑われるようであればCTやMRI室に連絡し予定検査を一時中断して、患者が到着後に直ぐに検査が出来るように手配します。一刻を争う疾患の場合、救急隊から情報は生命線になります。病院内で働く救急救命士は、その情報を上手く現場の救急隊から聞き出し、病院内の現場にいる医療スタッフに伝達する仕事をしています。

患者からの電話対応

ホットラインは医療従事者どうしの連絡であるの対して、患者からの電話は非医療従事者からの連絡になります。(たまに医療従事者からの電話もありますが…)
患者から電話の場合は、ホットラインよりアセスメントをする力が必要になります。例えば、腹痛を訴える患者の場合、ホットラインであれば救急隊が患者の状況を教えてくれます。「バイタルサイン」、「腹部所見」、「痛みの性状」、「全身的な患者状態」など。しかも、救急隊が現場に直接行き、得た情報であり信頼性が高い情報になります。
しかし、患者からの「腹痛」を訴えの電話があった場合、救急救命士から上手く聞き取りをしなければ、情報を得ることは難しくなります。また、直接患者を見ることが出来ないため、情報源が患者の声と訴えのみであり、圧倒的にアセスメントが難しくなります。電話してきた人が本人以外の場合は更に難易度があがります。患者の声や訴えから重症度を推測して、救急車で来院させるか公共機関で来院させるか、判断するのも救急救命士の仕事になります。

患者のトリアージ(重症度の判定)

通常の病院受診する場合、受付順に診察をしますが、救急外来(ER)などでは重症度が順に診察をします。重症度が高い患者を優先的に診察に回すことが出来、早期の治療が開始することによって、予後が大きく変わる疾患が多くあります。
例えば、心筋梗塞などの場合、梗塞部位の再灌流が早ければ早いほど、心筋へ与えるダメージは減少し、心機能の低下を最小限にとどめることが出来ます。また意外に、自ら病院に歩いて来る患者の中には、重症な患者がまぎれていることがあります。歩いて来院する患者の重症度の評価も救急救命士の仕事になります。

初療対応

まず初療とは救急車などで搬送された患者を最初に治療することを指します。患者が重症なほど、マンパワーが必要になり医師や看護師だけでは手が回らない場面が多くあります。医師が数人集まり同時に治療を行う場面は少なくありません。救急救命士は患者に対して侵襲的な処置や検査を行うことはありませんが、非侵襲的な検査や医療行為の介助など救命士が行う場面が多くあります。例えば、心電図やバイタルサインを測定したり、初療記録をとったりと…
勿論、呼吸不全になれば補助換気や心停止になればCPR等も行っています。

転院搬送の手配

ERを受診する多くの患者は、疾患ではなく主訴を訴えて来院してきます。例えば、腹痛を訴えて来院した場合においても、腹痛が発生する疾患は山ほどあります。

消化器系~産婦人科系まで…

もちろん、全ての診療科に対応できる病院にしておくことは大切ですが、大学病院などの大規模な病院でない限り、全ての診療科を揃えることは難しいのが現状です。その病院が掲げている診療科以外の患者が発生し、尚且つ緊急で治療が必要な場合は転院をする必要が出てきます。そんな時の転院搬送の手配を救急救命士が行っております。

ドクターカーの運用

ドクターカーとは医師が同乗し現場から治療を行えるようにした救急車になります。ドクターカーを運転するにあたり、患者に負担を与えないように、また医師が治療を行い易いように細心の注意を払い運転をする必要があります。また、救急車内で医師の医療行為の介助をする仕事も院内救命士は行っています。

ER司令塔としての救急管制室

ERでは様々な職種の人が働いています。医師、看護師、臨床工学士、放射線技師、医療事務などなど、患者を円滑に診察し治療をするには、他職種との調整が非常に重要になってきます。通常、多職種との調整は看護師が行っている施設が多くありますが、ERにおいて看護師の業務が多すぎてパンク寸前です。
そこで救急救命士が看護師に変わり、ER業務を円滑に回すための調整役をしています。まさに、管制室のように!!


院内救命士でまとめ
1:ホットライン(行政の救急救命士からの電話)の対応
2:患者からの電話対応
3:患者のトリアージ(重症度の判定)
4:初療対応
5:転院搬送の手配
6:ドクターカーの運用
7:ER司令塔としての救急管制室
いかがでしたか?
病院救命士として10年以上になりますが、病院救命士が民間で活躍する機会が増加してきたように感じます。当初は、病院内で救命士が働いていると「何しているの?」と聞かれることが多くありましたが、最近は「うちの病院でも病院救命士を採用したけど、どうしたら良いの??」と聞かれるようになりました。

また、良く患者さんとコミュニケーションを取り、患者さんから信頼される病院救命士が増えれば自ずと、院内救命士の社会的位置も安定してくるのかなぁと思います。
救命士を目指す方、現役の救急救命士の方がこの記事を読んで病院救命士に興味を持ってくれれば、大変うれしいです。この記事が役にたった場合はソーシャルメディアでシェアをお願いします。

また、病院救命士に関する講師依頼等があればご連絡お待ちしております。

 

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