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新卒で院内救命士になった新人救命士のインタビュー

新卒で院内救命士になった新人救命士のインタビュー

 消防署に勤務していない人が救急救命士の資格を取得するためには、高校卒業後、2年制または3年制の専門学校・短大か4年制大学の救急救命士養成を目的とした学科・コースで学び国家試験の受験資格を得る必要があります。救急救命士誕生の背景や資格の性質上、これらの学校・大学では今でも消防に就職するための教育課程が主軸となっています。実際、就職活動をしている学生さん達のほとんどが消防採用試験を受け、合格したら消防に勤務しています。

 今回はそのような背景がある中、消防志望ではなく院内救命士志望で病院に就職した、新卒2年目沖縄出身の新人救命士Tさんにインタビューを行いました。

 学校での教育と実際に院内救命士となって教育を受け働いている中で、どの様な相違があったか、院内救命士となって感じたことなどを聞いてみました。

  

Q1)なぜ消防ではなく院内救命士を選んだのですか? 

A1)両親が医療従事者であったため自分も将来医療の道に進みたいと言う思いが強く、ドラマなどで救命センターの風景をみて自分もあんな職場で働きたいと小さい頃から憧れていたんです。看護師の道も考えましたが、どうしても救急で働きたいと言う思いがあったため救命士の道を選びました。消防と病院とで迷いましたが病院実習に参加して、患者が搬送されてからどう言う経過をたどるのか。が物凄く気になり、消防より患者のその後に携われる院内救命士になろうと決めました。

 

 

Q2)学校で学んで院内救命士として活かされた事はありますか? 

A2)現在は二次病院の救急外来で勤務していますが、患者が救急外来に搬送されてきた時の所見のとりかたが学校でやってきたシミュレーションと似ており、資器材を用いないで顔の表情や全身の観察などで重症度・緊急度を見極める技術はとても活かされています。救急外来に勤務した直後は、学校で学んだ事とは全く別の観察をしなくてはいけないと思って大変でしたが、今まで学校で学んだ事と変わりはないんだ!と気づいてからは、自信を持って対応できるようになりました。

 

 

Q3)学校では学ばずに院内救命士となって身につけた事はありますか?

A3)薬剤や病院にしか置いていない物品を覚えるのがとても大変でした。看護師は学校や実習で見慣れている物品でも、自分にとっては採血用のスピッツですら初めて見る物品で使い方が分からなかったです。薬剤は数えきれない程たくさんあるし、画像をみる事も多いですが分からない事だらけで、今でも毎日勉強する日々です。救急隊は資器材が限られていますが、病院では資器材が比べ物にならない程たくさんありますし。それと転送検索業務があるのですが、画像読影能力や検査データを理解しておかないといけません。現在はそれを身に付けるための教育を受けているところです。

 

 

Q4)院内救命士になるために勉強しておいた方が良い事などはありますか?

A4)授業で使っていた教科書に載っていたのですが、採血などのデータ(正常値や異常値)をもっと覚えていれば良かったなぁと感じています。それと検査について。例えば、頭部打撲であればCT検査、心臓の疾患であれば心電図の他に心エコーや心臓CT、脳梗塞の場合はCTではなくMRI、と言うように病院内の医療従事者であれば知っている事を、自分は知らない場面が多くあった。病院に置いてある医療機器をもっと知っておきたかったです。

 

 

Q5)院内救命士の魅力を教えて下さい。

A5)沢山の職種の人達と働ける環境なので色々なことが学べます。職種によって考え方が違うし、得意分野も異なるのでお互いに教えあって物凄く良い刺激になります。心肺蘇生法や外傷については救命士が、患者のケアについては看護師が、医療機器は臨床工学技師がそれぞれ教え合いながら仕事をしています。これは消防に勤務していたら絶対にできない貴重な経験です。自分は絶対に今後も院内救命士が良い。ここに勤務して本当に良かったと思っています。

 

 

Q6)今後院内救命士を目指そうと思っている学生に一言お願いします。

A6)一度は院内救命士として働いてみて欲しい。色んな事を広く学べるし、なんと言ってもたくさんの職種の人と関われるので世界が広がります。ただ、それだけたくさんの人が集まっているのでメンタルが強くないと厳しいと思います(笑)でも本当に毎日が飽きずに楽しいです!患者によって症状や結果が教科書通りにはならないし、何でだろう?と疑問に思うことがたくさんある。疑問に思ったことを自分で調べても理解出来なかった時は、それを得意とする職種のスタッフに聞いたりして解決出来る。恵まれた環境にいるんだと感じています。

 

終始笑顔で活き活きとインタビューに答えてくれました。ありがとうございます。

病院で救命士が役に立つの?結局はプレホスピタルの資格だし病院じゃ活かせない資格だ。と言われる事がありますが、沢山の医療職スタッフとお互いの知識を共有しながらチームとして頑張っているようです。ですが、学校の教育課程では教わらない事が多く病院で即戦力になるのはまだ厳しい状況です。

近年、救急救命士を採用する病院が増加し新卒で院内救命士を目指す学生も増えています。中には消防勤務の救命士が病院に勤務したいと消防を退職して転職してくる救命士もいます。

このような背景を踏まえ、学校での教育課程や進路の方向性も消防に偏るのではなく、新卒でも病院で即戦力になれるような教育課程の見直しや、就職先の拡大を行っていく必要があるのではないでしょうか。

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